雨に打たれる直也くん。
も、もう……もうっ!!(←身悶えている)

チコリは幸せものです。
沙羅さん、本当にありがとうです。
大事にします☆
これからもどうぞ、この子を愛してやってください。
(絵・沙羅 様)




勢い余って書いた短文





































 雨は、嫌いじゃない。
 雨に打たれているのは、嫌いじゃない。
 雨が上がった後の青空のきらめきを知っているから。
 嵐が過ぎ去った海の穏やかさを知っているから。

 だから嫌いじゃないと、そう思っている。
 自分自身にそう言い聞かせているだけと知っていながら、
それでも構わないと思っている。
 言い聞かせているうちにそれが真実になることだって、あるだろう。




 本当は、雨は嫌いだった。
 雨に打たれているのは嫌いだった。
 見上げた空が、あの灰色の雲の向こうで退屈そうにしているから。
 見下ろした海が、あの灰色の雲を波間に並べてふてくされているから。


 雨の日は、嫌いだった。
 あいつが遊びに来てくれないから。
 雨が降ると退屈だった。
 雨が降るとふてくされた。



 あるとき、あいつが言った。


「おれ、雨ってすきだな」


 雨に打たれるとすぐに熱を出すやつが何を言ってるんだ、と思った。
 でも、あいつは笑っていた。


「だって、雨が上がった後の空とか海って、すごくきれいじゃん」


 それは晴れている空や海が好きなのであって、
雨が好きな理由にはならないと。
 そう思ったけれど、
そのときのあいつの顔があんまり楽しそうだから、
気づいたときにはうなずいていた。


「……おれも、そう思う」


 そうしたら、あいつはもっと楽しそうに、うれしそうに笑った。




 三日間降り続いた雨が上がって、
三日ぶりに顔を出した太陽の下で、
三日ぶりに会ったあいつの髪がきらきらと輝いていた。
 その光がいつもよりも眩しく見えて、
そのときに、あいつが言っていたことは「ああ、本当だったんだ」と思った。


 二人で並んで眺めた青空は、いつもよりも明るく広く見えた。
 二人で並んで眺めた海は、いつもよりも明るく深く見えた。
隣にいたあいつは、いつもよりも楽しそうに笑っていた。

 その笑顔があの空で輝くお日さまのようだと思った。
 いや、違う……あのお日さまがあいつのようだと思った。
 雨が上がると、ひょっこり笑顔でやってくる、あいつのようだと。




 雨は、嫌いじゃない。
 雨に打たれているのは、嫌いじゃない。
 雨が上がった後の青空のきらめきを知っているから。
 嵐が過ぎ去った海の穏やかさを知っているから。
 雲間から顔を出す太陽が、あいつの笑顔に似てるから。

 雨音は、鼓動。
 あの光にいつ会えるだろうと弾む、この胸の音。

 雨は、再会の約束。


 
 この雨がやむとき、俺も雨を好きになれたらいいなと、思う。





on the rainy day




ほんとに勢いのみで書いてしまった短文です。
せっかくの絵をこの駄文で汚してしまっていたら、申し訳ないです!
でも……かなり気持ちよく書けました。笑
一応、沙羅さんのみ、お持ち帰りフリーとさせていただきます。

素敵な絵をありがとうございました☆








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